土地家屋調査士のよくある質問（Q&A）
（土地登記・建物登記・境界確定）

土地家屋調査士法によると、土地家屋調査士は次のように定義されています：
「不動産の表示に関する登記及び土地の筆界（不動産登記法第123条第1号に規定する筆界をいう。）を明らかにする業務の専門家として、不動産に関する権利の明確化に寄与し、もって国民生活の安定と向上に資することを使命とする。」
簡単に言えば、不動産の表示に関する登記のため、土地や建物の調査と測量を行い、その結果を正確に登記記録に反映させる専門家です。
ただし、「不動産の表示に関する登記」と言われても、少し分かりにくいかもしれません。不動産登記簿は「表題部」と「権利部」の2つの部分で構成されていますが、土地家屋調査士はこの「表題部」に関する登記の専門家です。

表題部に記載される内容：

• 土地の場合：所在、地番、面積、地目（宅地、田、畑など）
• 建物の場合：所在、家屋番号、建物の種類（居宅、店舗など）、構造（木造、鉄筋コンクリート造など）、床面積、原始所有者

権利部には「甲区」と「乙区」という項目があり、それぞれ次のような内容が記載されます：

• 甲区：所有権者の情報
• 乙区：抵当権など、所有権以外の権利に関する情報

表題部に関する登記は土地家屋調査士が担当し、権利部に関する登記は司法書士が担当します。このように、調査士は不動産の物理的な情報に特化した登記の専門家と言えます。

土地家屋調査士の役割
土地家屋調査士は、不動産の物理的な情報に特化した登記の専門家であり、土地や建物の売買、相続、境界確定など、あらゆる不動産取引や手続きの基礎となる情報を正確に記録し、不動産の権利を守ります。

土地家屋調査士への依頼が必要になる場面は意外と多いものの、個人のお客様が直接依頼するケースは少ないのが実情です。
その背景には、不動産会社やハウスメーカーが登記手続きを一括してサポートすることが多く、知らないうちに土地家屋調査士の業務が行われている場合があるからです。その結果、土地や建物の「表題部登記」の重要性が見過ごされがちになることもあります。
しかし、個人の皆さまが直接土地家屋調査士にご依頼いただくことで解決できる課題やメリットは多岐にわたります。以下に代表的なケースをご紹介いたします。

土地に関するケース

• 地籍調査が行われた記憶がない、地積測量図がない、または古い場合

お客様の土地が座標（X, Y）で管理されていない場合や、法務局に備え付けられている地積測量図がない場合には、境界確定（筆界確認）を行い、地積更正登記を進めることをお勧めします。これにより、土地の正確な面積や位置、形状が記録され、安心して所有いただける状態を整えます。

建物に関するケース

• 自費で増改築や付属建物（物置など）を建築した場合

金融機関から融資を受ける際には、提携する司法書士を通じて土地家屋調査士が手続きに関与することが一般的ですが、自費で建築された場合は、登記が行われていないケースがみられます。増改築や新たな建物を建てられた際には、登記の有無をご確認ください。登記が適切に行われていない場合、後のトラブルや手続きの遅延を防ぐため、早めの対応が肝要です。

• 過去に古い建物を取り壊した記憶がある場合

固定資産税台帳の修正は申請されるのが一般的ですが、建物滅失登記は行われていないケースも少なくありません。こちらもご確認いただくことをお勧めします。

売却や相続の前に確認すべきポイント
未登記や境界が不明確な状態を放置しておくと、売却時や相続時に大きなトラブルにつながる恐れがあります。以下の点にご注意ください：

• 境界が不明瞭な場合：売却時に境界確定（筆界確認）を求められることがほとんどです。
• 未登記建物がある場合：新たに融資を受ける際や売却時に登記が必要です。また、相続後は登記手続きがさらに煩雑になる可能性があります。

未来を見据えた準備をお勧めします
相続や売却を検討されている方は、将来の手続きが円滑に進むよう、事前に土地や建物の状態を確認し、必要な手続きを進めることをお勧めします。
自身の財産を明確にすることが、安心して将来を迎える第一歩です。

まずはお気軽にご相談ください。
土地家屋調査士への依頼に関するご質問やご不明点がございましたら、ぜひ当事務所にご相談ください。

土地に関する登記には、「分筆登記」「地積更正登記」「地目変更登記」「合筆登記」「表題登記」などがあります。
これらの登記は、土地の分割や合体、土地の現況や利用目的に変化が生じた際に必要な手続きです。地目に変更が生じた日から1か月以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料に処される可能性があるため注意が必要です。

土地に関する主な登記
１．分筆登記

• 概要：1つの土地を複数に分割して登記簿に登録する手続きです。
• 必要な場合：土地を一部売却する場合や、相続で土地を分割する場合に必要です。

２．地積更正登記

• 概要：実際の面積と登記簿上の面積が異なる場合に、正しい面積を登記簿に反映する手続きです。
• 必要な場合：測量によって登記簿上の面積に誤りがあることが判明した場合に必要です。

３．地目変更登記

• 概要：土地の用途が変更された場合に、地目（例：田、畑、宅地など）を変更する手続きです。
• 必要な場合：農地を宅地に転用するなど、土地の利用目的が変わった際に必要です。

４．合筆登記

• 概要：隣接する複数の土地を1つにまとめる手続きです。
• 必要な場合：土地を一体化して管理する場合に必要です。

５．土地表題登記

• 概要：新たに登記簿を作成する手続きで、土地の所在、地番、地目、面積を登記簿に記録します。
• 必要な場合：未登記の土地を登記する場合や、払い下げなどで未登記の道や水路を取得する際に必要です。

土地登記が必要な理由

• 正確な土地情報の記録：分筆登記や地積更正登記により、地積測量図が法務局に備え付けられます。これにより、土地の面積や形状、位置が明確になり、隣接者間でのトラブルを未然に防ぐことができます。
• 土地利用の適正化：地目変更や合筆登記などを通じて、土地の用途や管理に応じた適切な記録が残ります。
• 不動産取引の安全性確保：土地の情報が正確になることで、売買や相続などの手続きがスムーズに進み、安心して取引が行えます。

まずはお気軽にご相談ください。
土地の登記手続きに関するご質問やご依頼については、ぜひ当事務所にご相談ください。

建物に関する登記には、「表題登記」「変更登記」「滅失登記」などがあります。
これらの登記は、新築や増改築、取り壊しなど建物に変化が生じた際に必要な手続きです。変化が生じたときから1か月以内に登記を行わない場合、10万円以下の過料に処される可能性があるため注意が必要です。

建物に関する主な登記
１．建物表題登記

• 概要：新築した建物を初めて登記する手続きです。建物の所在地・家屋番号・種類・構造・床面積が登記簿に記録されます。
• 重要性：表題登記は、権利登記（所有権保存登記など）を行うための基礎となる登記です。
• 必要な場合：建物を新築した際に必ず必要な登記です。

２．建物表題部変更登記

• 概要：建物の構造や床面積など、登記内容に変更が生じた場合に行う手続きです。
• 必要な場合：増築や改築による種類や構造の変更、付属建物の新築があった場合に必要です。

３．建物滅失登記

• 概要：建物を取り壊した際に、その情報の登記簿を閉鎖する手続きです。
• 必要な場合：建物を解体したり、自然災害で滅失した場合に必要です。

その他の建物登記について
建物に関する登記には、上記以外にも「区分建物表題登記」「建物分割登記」「建物合併登記」などの種類があります。これらは件数的に多くないため詳細は割愛します。これらに該当する場合や、どの手続きに該当するかわからない場合は、ぜひご相談ください。

建物登記が必要な理由

• 権利登記の基礎：表題登記を行うことで、所有権保存登記などの権利登記が可能になります。
• 取引の円滑化：登記があることで建物の情報が明確になり、売買や相続などの手続きがスムーズに進みます。
• トラブル防止：建物の現状を正確に記録することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

まずはお気軽にご相談ください。
建物の登記手続きに関するご質問やご依頼については、ぜひ当事務所にご相談ください。

境界確定測量（筆界確認）とは、土地の境界を明確にするための測量手続きです。
さまざまな資料と隣接者との合意を基に、現地で境界を確認し測量する作業です。以下の手順で進められます。

境界確定測量の主な流れ
１．資料の収集と調査
法務局や市町村役場で、公図や地積測量図、道路境界確定図などの資料を収集し、過去の登記内容や境界の履歴を調査します。
２．現地調査と測量
現地で土地の測量を行い、地形や境界標を確認します。隣接者の立会いのもと、境界を確定します。
３．境界確認書の作成
隣接者と合意した境界について確認書を作成します。この書類は、後のトラブル防止や登記手続きで重要な役割を果たします。
４．登記手続き
必要に応じて、測量結果を基に登記を行います。
境界確定測量が必要なケース

• 土地の売買や相続を予定している場合
• 土地の分筆や地積更正登記を行う場合
• 境界トラブルや不明確な境界を解消したい場合

境界確定測量のメリット
１．トラブル防止
境界を明確にすることで、隣接者との将来的なトラブルを防ぎます。
２．土地取引の円滑化
境界が明確になることで、土地の売買や相続がスムーズに進みます。
３．安心感
自分の土地の正確な範囲を把握できるため、安心して土地を管理できます。

まずはお気軽にご相談ください。
境界確定測量に関するご質問やご依頼については、ぜひ当事務所にご相談ください。丁寧にサポートいたします。

境界には大きく分けて、公法上の境界（筆界）と私人間の境界（所有権界）の2種類があります。

境界の種類
１．公法上の境界（筆界）

• 登記記録に基づき、隣接する土地との境を示すもので、土地家屋調査士が扱う境界です。
• 筆界は法律上確定された境界であり、所有者間の合意などでは変更することはできません。

２．私人間の境界（所有権界）

• 所有権が及ぶ範囲を示す境界で、隣接者同士の合意や私法上の取り決めによって定められるものです。
• 所有権界は筆界と一致することもあれば、異なる場合もあります。

まずはお気軽にご相談ください。
境界に関する疑問や確認作業について、土地家屋調査士が丁寧に対応いたします。ぜひ当事務所にご相談ください。

土地の境界トラブルを未然に防ぐことが第一です。
ほとんどの場合、大きなトラブルに発展することはありませんが、万が一トラブルが発生した場合には、以下の方法で解決を図ることができます。

境界トラブルの解決方法
土地家屋調査士会ADR（裁判外紛争解決手続）
境界が明らかでないことに起因する所有権界等の紛争について、土地家屋調査士と弁護士が協働して調停を行い、当事者間の話し合いによる解決を図る手続きです。
筆界特定制度
法務局が提供する制度で、公法上の境界について、筆界特定登記官が筆界調査委員の意見を踏まえ、判断を示します。この制度は、申請人や関係人に手続きへの参加の機会を保障しながら進められます。
筆界確定訴訟
裁判所が、訴訟提起者（原告）の提起に基づき、原告と被告双方が提出した資料を精査し、法的に境界を確定する手続きです。

境界トラブルを防ぐポイント

• 隣接者と良好な関係を築くことが重要です。
• 境界をあいまいにせず、土地家屋調査士による測量や調査を依頼し、正確な境界を確認しましょう。

まずはお気軽にご相談ください。
境界トラブルを予防したい、というご要望がございましたら、ぜひ当事務所にご相談ください。専門家の視点で、迅速かつ適切にサポートいたします。

測量や登記にかかる時間は、手続きの種類や状況によって異なります。
一般的な目安は当サイト内でご紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
▶ 作業期間の目安はこちら

作業期間に影響する主な要因
１．隣接者との境界確認

• 隣接者が不明な場合や、相続などが発生している場合、調整に時間が必要です。
• ご自身が隣接者を把握していない場合は、通常より長い作業期間が必要となるとお考えください。

２．行政との境界確認

• 道路や河川など、行政機関との境界確認が必要な場合、上位機関ほど手続きが長引く傾向があります。

３．時期的な問題

• ゴールデンウィーク、お盆、年末年始、年度末など、境界立会いや関係機関の対応が遅れることがある時期には、作業が通常より長くなります。

注意事項
作業期間は、実際に業務に取り掛かって初めて具体的に判明する場合もあります。そのため、お客様をお待たせする場合がございますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。

まずはお気軽にご相談ください。
具体的な状況に応じたスケジュールや作業内容について、事前に詳しくご案内いたします。迅速かつ丁寧な対応を心がけておりますので、ぜひご相談ください。

土地家屋調査士の費用について
土地家屋調査士の費用は、手続きの種類や土地・建物の状況によって異なります。
主な業務とその費用の目安を当サイト内でご紹介しています。ぜひご参考にしてください。
▶ 料金の目安はこちら

正確な費用について
具体的な費用は、土地の形状、面積、隣接者、必要な書類の種類などにより大きく異なります。
事前にお見積りをお出しし、ご納得いただいた上で進めさせていただきますので、どうぞ安心してご相談ください。

まずはお気軽にご相談ください。
費用に関するご質問や詳細な見積もりが必要な場合は、ぜひお問い合わせください。
お客様に最適なプランをご提案いたします。

登記申請はご自身で行うことも可能です。
登記手続きは申請者ご自身で行うことが可能です。ただし、手続きには測量成果に基づく図面の作製や、法務局に提出する書類の準備など、専門的な知識と正確さが求められます。

土地家屋調査士に依頼するメリット
専門家に依頼することで、正確な測量や書類作成を含めた煩雑な手続きをスムーズに進めることができます。お客様の負担を軽減し、確実な申請をサポートいたします。

まずはお気軽にご相談ください。
登記手続きに関するお悩みや疑問があれば、ぜひお問い合わせください。

土地家屋調査士 鶴見事務所の対応エリアについて
当事務所は、茨城県取手市を拠点に、茨城県南部、千葉県北部地域を中心に業務を行っています。具体的な対応エリアは以下の通りです：
茨城県
県南地域
取手市、守谷市、つくば市、つくばみらい市、牛久市、龍ケ崎市、常総市、土浦市、石岡市、稲敷市、阿見町、河内町、美浦村、利根町
県西地域
古河市、筑西市、下妻市、結城市、八千代町

千葉県
東葛飾地域
松戸市、野田市、柏市、流山市、我孫子市、鎌ケ谷市
印旛地域
成田市、佐倉市、四街道市、白井市、印西市、八街市、富里市、酒々井町、栄町

対応エリア外でもまずはご相談を
上記以外の地域についても、案件の内容によっては対応可能な場合がございます。お気軽にお問い合わせください。

急ぎの案件にも対応可能です。
土地や建物に関する測量や登記など、急を要する手続きが必要な場合も、可能な限り柔軟に対応いたします。ただし、**既存の案件を優先させていただくため、対応が難しい場合もございます。**ご理解のほどお願い申し上げます。

対応をスムーズに進めるために

• お早めにご相談ください。
• 案件の詳細を伺い、可能なスケジュールや手続きの見通しを迅速にご案内いたします。
• 必要に応じて、関係機関との調整を行います。

ご注意ください

• 関係機関の混雑具合や隣地所有者が不明な場合など、手続きに時間を要することもございます。
• 状況に応じて、最適なプランをご提案いたします。

ご相談は無料で対応しております。
土地や建物の測量、調査、登記に関するご相談は無料です。「ちょっと聞いてみたい」といった些細な疑問でも大歓迎です。専門的な内容もわかりやすくご説明し、お客様の疑問解決をお手伝いいたします。

具体的な相談について
より具体的なご相談や調査となる場合、以下のような資料が必要になることがあります：

• 登記簿や地図、測量図などの法務局資料
• 道路境界確定図など、市町村が所有する資料

これらの資料取得には別途費用がかかます。その際は事前にご案内し、ご了解いただいたうえで請求させていただきますので、どうぞご安心ください。

まずはお気軽にご相談ください。
土地や建物の測量、調査、登記に関することなら、どんなことでもお気軽にお問い合わせください。お客様が抱える疑問や不安を解消し、最適なご提案をいたします。

快く参加してください。
境界立会いは、土地の境界を確認し合意するための重要な手続きです。隣接者の方も、必要に迫られてお願いしている場合がほとんどです。ぜひ逆の立場で考え、快く参加されることをお勧めします。

境界立会いが求められる主なケース

• 土地の売買を予定している場合。
• 分筆登記や地積更正登記を予定している場合。

境界立会いに参加するメリット

• 隣接者と境界を現地で確認し合意することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。
• 自分の土地の一部境界が相手負担で明確化します。

参加しない場合のリスク

• 逆にこちらが境界立会いをお願いする際、相手が参加を拒む可能性があります。
• 最悪の場合、法的手続きへ進む可能性もあります。

参加が難しい場合の対処方法

• 日程の調整を依頼する。
• 遠方の場合、図面や写真などの資料を用いて確認する方法も可能です。

注意点
納得がいかない場合は、合意する必要はありません。ただし、土地家屋調査士は多くの資料を精査し、中立な立場で境界を示していることを忘れないでください。

境界立会いは、土地所有者としての責務とも言えます。ぜひメリットを理解し、参加をお願いいたします。